「高そうなピアスね!」
「やっぱ、社長婦人は違うわね!」
都麦は、久しぶりに友人二人(由利(ゆり)佐和(さわ))と食事をしていた。

「やっぱ、似合わないよね……」
「だから!気にしないの!!」
「そうよ!そのホステスの妬みなんだから!」
「うん……」
都麦は右耳に触れ、ゆっくり頷いた。

「あ、そうそう!
先週、東矢(とうや)に会ったよ!」
由利の言葉。
「え?東矢くん?」

東矢とは…相沢(あいざわ)東矢と言って、都麦の高校生の時の恋人だ。
東矢もかなりのイケメンで、なんとなく刹那と似ている。
都麦が刹那に一目惚れしたのは、どこかで東矢の面影を見たからかもしれない。

「うん。
都麦が結婚したって聞いて、かなりびっくりしてたよ!」
「え?」
「都麦は、待っててくれると思ってたって!」
「はぁぁ?そんなの、勝手じゃん!」
由利から出た東矢の言葉に、佐和が怒る。

佐和が怒るのも、無理はない。
東矢は一方的に都麦に別れを告げ、都麦の前から姿を消したからだ。

元々は由利の高校の時の彼氏・一雄(かずお)の友人で、お互い友人を通じて知り合った二人。
高校が違った為、毎日東矢は都麦の高校に朝は送り帰りも迎えに来ていた。
交際期間は一年間だったが、とても幸せだった。

しかし東矢が何の前触れもなく突然、別れを告げてきたのだ。

「だから私もそう言ったよ!
勝手にいなくなったのは、東矢でしょって!
そしたら、その事かなり反省してた」
「そうなんだ…」
「会って謝りたいって言ってたんだけど、どうする?」
「え?でも…二人で会うのは……」
「だよね……」

「じゃあ、ここに呼べば?」
佐和が提案してきた。
「え?い、今から!?」
「うん。
私も文句言いたい!」
「で、でも………」

都麦の心の準備もない中、結局半ば強引に呼び出したのだ。
「都麦、久しぶり」
「東矢…くん」

東矢は都麦が好きだった、あの高校の時と全く変わっていなかった。
都麦は瞬間的に、高校生に戻った感覚に陥っていた。