「………」
「あ、ご、ごめんなさい…つい……」
「フフフ…」
「え……刹那さん?」

「やっぱ、君は最高だ!だから、放せない!」
微笑み、言った刹那。
「え?」
「つむちゃん、食事中だけど我慢できないみたい……」
「へ?」
ガタッと立ち上がった刹那は、軽々と都麦を抱き上げて寝室へ向かった。

ベッドにゆっくり下ろし、組み敷いた。
「つむちゃん、ごめんね。僕はつむちゃんを、一生放せない」
「うん。私も放れたくないよ?
どうして謝るの?」
「………ううん。内緒…!」
そう言って、口唇を塞いだ。

「んぁ…あぁ……ひゃ…ん…」
「つむちゃん…僕のつむちゃん……好きだよ…好き、好き、好き……」
「刹那…さ…私も、すきぃ…も…だめぇ……」

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刹那の腕枕で、心地良さそうに眠っている都麦。
「ん…刹…さ…好き……」

「………ごめんね。
こんな僕が好きになって…」
手の甲で都麦の頬を撫でる、刹那。
その声が、とても切なく響いた。

結婚して一ヶ月。
刹那は34年間生きてきて、初めて後悔していた。

カフェに行かなきゃよかった……
いつものように威圧感を出し、都麦を近寄らせないようにすればよかった……
告白を受けなければよかった……

結婚………しなければよかった……

まさか自分が、たかが女一人に夢中になるなんて思わなかった。
こんなに愛してしまうなんて思わなかった。

人を愛すること、大切に想うこと、守りたいと想うこと………そうゆう“情”は自分には存在しないと思っていた。


「でも…もう、遅い……
“後悔”なんて、俺には似合わない。
都麦の傍にいたい。
どうしても、放せない」

正直に、自分がヤクザ若頭だと告白しようか?

「いや、ダメだ!そんなことして、もし“離婚”なんてなったら俺はきっと……」

都麦を監禁するだろう━━━━━


刹那は色んな思いに自問自答し、押し潰されそうになりながらひたすら都麦の頬を撫でていた。