「…………なんてね(笑)
冗談だよ?」

「刹那…さ……」
「ごめんね、痛かったね。
あ……かなり赤くなってる…
しかも、僕の手形ついちゃった…!」
ゆっくり手を離し、くっきりついた手形をさする刹那。

「刹那さん」
「んー?」
「ごめんなさい。ほんとにごめんなさい…!
悲しくて、無意識に払っちゃったの。
だから━━━━」
「もういいよ!わかってるから。
僕こそ、ごめんね…こんなになるまで握っちゃった…」

「ごめんなさい…!」
今度は、嫌われるのではないという恐怖で泣き出す都麦。

「もういいって!泣かないで、つむちゃん!
僕は怒ってるんじゃないよ?
僕も悲しかっただけ。
僕を拒む人間なんていなかったから。
特につむちゃんに拒否られたら、僕は生きていけないんだよ?
あと、結婚式も。
ごめんね…つむちゃんが、僕のいない所で知らない男に会ってるなんて考えただけで嫉妬で狂うんだ。
しかも、元彼なんて……僕にとって、凶器だから」

「うん。今から八重ちゃんに連絡するね。
欠席の連絡」
「ん。僕のせいにしてくれていいからね」


『そっか……久しぶりに都麦に会えるの、楽しみだったんだけどなぁ』
「ごめんね…
あ、でも!お祝いは贈りたいから、住所を後からメールしてくれない?」
刹那に横で頭を撫でられながら、断りの電話を入れる都麦。
『うん、ありがとう!』

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『都麦、そんなんで幸せなの?』
後日由利と佐和にランチに誘われて、八重の結婚式に欠席する旨を伝える。

「旦那、かなりの束縛……ってか、支配してるじゃん!」
「うん」
「そんな人だったんだね。旦那」
「うん。
私、怖いの……」
「そうだよね…」
「大丈夫よ!私達が、なんとか━━━━━」

「違うの!!!」

「え……?都麦?」
由利と佐和の言葉を遮るように、声を荒らげた都麦。


「怖いのは“私自身”なの」