囚われて、落ちていく
「刹那さん、本当にいいの?男性もいるんでしょ?
私、刹那さんに嫌われたくない。
八重ちゃんとは、後日ランチでも誘おうと思ってたんだよ?だから━━━━━」
「いいんだよ。つむちゃんが今日の結婚式の我慢してくれたし、僕が傍を離れないから。
それに…………約束、してもらってるし」

【約束して?
都麦と話が出きるのは“女”だけ。
あと、僕と都麦を引き離す行為も許されない。
例外はない。
もし、破ったら二次会は跡形もなく消え去るからね】


「都麦~」
「あ、八重ちゃん!結婚、おめでとう!」
八重の元に駆けていき、手を握った。

「フフ…ありがとう!
あ、旦那を紹介━━━━━」
「あ、八重ちゃん!それは……」
「あ、そうね…」

都麦は軽く、刹那を紹介する。
「君か、さっきの電話の…」
「はい。館山です。
あの、都麦を少し貸してもらえませんか?
もちろん、私達だけなので。
女性“のみ”なら、いいんですよね?」

「旦那さんは、私の旦那達の話し相手になってあげてください」
八重が、自身の旦那の方を向きながら言った。

「わかった。どうぞ?」


「都麦、大丈夫?」
由利が言う。
「うん。ごめんね、せっかくの二次会を雰囲気悪くして……」
「都麦、今外に東矢がいるの」
「え?」
「東矢と逃げな!」
佐和も続けて言ってきた。

「ダメだよ!私は刹那さんが━━━━」
「それって、本当に愛情なの?」
「都麦を縛りつけて、意思が全くないじゃん!」

「そうだね。でも、それでも刹那さんから放れたくないの」
「都麦……」
「ごめんね、二人の気持ち凄く嬉しい。
でも、ごめん!」
都麦は頭を下げた。

「私、帰るね!八重ちゃん、本当におめでとう!」
都麦は由利達から離れ、刹那の元に向かった。

「都麦!!」
「え?」

「もう……遅いの!!」
「え━━━━」


「━━━━━━━!!!!」

突然、店の扉が開いたかと思ったら、数人の強面の男達に囲まれた都麦。
そして都麦は、あっという間に気絶させられた。
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