せっかく都麦が自分だけのモノになりつつあるのに、最近の刹那は機嫌が悪い。

「んー、つむちゃん~」
「刹那さん、もう準備しないと瞬作さんが呼びに来るよ?」
朝食が済むといつも刹那は、都麦とソファに移動して都麦に今日の予定を聞く。

今日は買い物がないので、家にいるとのことで安心していた刹那。
通常ならここで、スーツに着替えてマンションを出る。
しかし今日の刹那は、スーツにも着替えずガウンのまま。

都麦に抱きついて、甘えるように頬をすり寄せていた。

「んー、つむちゃんと離れたくないなぁ」
「フフ…今日の刹那さん、甘えん坊だ!
なんか、可愛い……」
「そう?」
「うん」

「………ねぇ、つむちゃん」
「ん?」
「キス…して?」
「え!?して??
しよ?じゃなくて?」

「そう。して?
そしたら僕は、今日一日仕事頑張れるよ?」

「うー、わ、わかった…
刹那さんの為なら……!」
刹那と都麦は向き合い、見つめ合った。

「刹那さん、目…瞑って?」
「ん」
都麦は刹那の頬を両手で包み込んで、口唇を親指でなぞった。
そしてゆっくり顔を近づけ、口唇を重ねた。

チュッと音がして、離れた口唇。
都麦は俯いて、呟くように言った。
「し、したよ…/////」

「つむちゃん、僕を見て?」
「……////」
顔を真っ赤にして、見上げる。

「つむちゃん、可愛い…ありがと!」
そう言って、着替える為部屋に向かった刹那。

入れ違いにインターフォンが鳴り、瞬作が呼びに来た。
とりあえず、中に上がってもらった都麦。

「瞬作さん、由利ちゃん達は見つかりました?」
「ごめんね、まだなんだ……」
「そうですか…私も何度も連絡してるんですが、誰にも全然繋がらなくて……佐和ちゃんも八重ちゃんも。
東矢くんの連絡先はわからないので、その事も由利ちゃんに聞きたかったんですが……」

心配そうに顔を歪める都麦を見て、瞬作は心が痛んでいた。

都麦には変な男に連れ去られて助けに行くのに夢中で、由利達があれからどうしたかわからないと伝えている。

まさか、みんなもうこの世にいないなんて、都麦は夢にも思っていない。