発作でさえも、
それは例えばコンビニの新作スイーツが美味しかったとき。私と同じくらい甘党な君と、この幸せを共有したいなって思う。

それは例えば君が観たいと言っていた映画の予告CMを見たとき。アクションはハラハラするから苦手だけど、君が隣にいるなら観れるかもって思う。



それは例えば―――、真夜中。眠れない夜は決まって君を思い出す。夜の静けさは私を1人きりにさせるから、早く朝が来ればいいのにって。


朝。君の名前の一部。


朝里(あさと)くんに、会いたくて堪らなくなる。


いつもならそう思うだけなのに、なぜだかたまに狂おしいほどの切情に胸が締め付けられるときがあって。

まるで発作のようにそれは脈絡なくやってきて、朝里くんに会うまで治まらないんだろう。


なんて厄介な感情。愛想を尽かされないように、キーボードに感情のまま走らせてしまいそうな指を押しとどめる。
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