灼けるような恋の先。
8章
平凡な日々
樹と別れたあの後から、私は通信の学校に通って高校を卒業。
その後就職は小さい印刷会社の事務として働いている。
もちろん腕から背中にかけての刺青は服で見えないようにするか、見えそうなところには刺青を隠すテープで隠している。
ピアスは耳以外は外したしね。
あんな怒涛の日々から気づいたら5年も立っていて、今年で29歳になろうとしていた。
あれから彼氏も好きな人もできたことは無いけど、相変わらず晄とは一緒に住んでいてずっと友達でいる。
「晄〜今から合コンだから行ってくるわ〜」
「合コン!?珍しいな!」
「うん、同僚がどうしてもってうるさくて」
「まじか、OKいってらー!」
仕事から帰って着替えた私は晄に手を振って家を出る。
晄はあれから彼女が時々できたり別れたり繰り返して今はフリーらしい。
「菫〜!遅いよぉ」
「いや時間前じゃん」
「今日はねっ、イケメン揃いらしいの〜!楽しみだねっ」
「私は全然」
同僚と合流してそんな話をしながら待ち合わせ場所へ向かう。
「菫美人だから好きになられても私の気になる人取らないでね〜?」
「取らないよ、私別に出会い求めてないし」
「えー、でも5年も彼氏いないんでしょ?エッチもしてないの?枯れてるよ〜」
「うるせー。」
あははっと笑う同僚に面倒に思いつつも歩を進めて合コン会場…と言っても居酒屋に着くと
男女合わせて7人居た。
空席が1つだから男がひとり来てないのかな。