激甘御曹司は孤独な彼女を独占愛で満たす
四、綺麗にお別れ。
四、綺麗にお別れ。


『きちんと謝罪させてほしい。こんな形で関係を終わらせるのは君に申し訳ない』

 忙しいし、気持ちも整理できないまま、彼からの着信を無視していた。
 正確には、仲人になってもらおうと思っていたバイト先だった式場の金谷オーナーに、どう説明するか億劫で逃げてしまっていた。

『謝罪したいのは、優希が謝ってすっきりしたいだけ。罪悪感を軽くしたいだけでしょ』
『申し訳ないけど、金谷オーナーに自分で連絡して、話し合い日を決めてください』

 感情的にならずに伝えると、今度は途端に得d冷たい文章になってしまった。
 早く彼からの連絡も終わらせたい。
 それと昨日は親が家に押しかけてきていた。
 いっその事、家も引っ越して家族との距離も取りたい。

「守屋さん。急で悪いんだけど」

 社長がまた私たちの工房にやってきた。社長がやってくるのは大体、急な仕事を押し付ける時か断れないように念を押してくるか。
 多分きっと、彼の会社との仕事の事だろう。
「はい」
「『Madonna』に出向をお願いするね」
 にこにこと微笑む社長が不気味で、一瞬固まってしまった。
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