バレンタインも終わったからか、男子達の浮かれた感じの雰囲気が消えてきた頃。
いつも通り、朝、駐車場から歩いて学校に入ると…朝練帰りらしい生徒に挨拶された。




「おはよーございます、澤村先生。」


「おはようございます。…ネクタイ、だらしないことになってますぞ。」


「え?うわぁ、先生のせいですね。」


「…何でそうなるんですか。」




意味が分からない。
まぁ、冗談の類だろうし…こんなしょうもないやつが、普段の息抜きになるんだったら、全然構わないんだけど。




「そういえば、聞いてくださいよ〜、澤村先生。」


「…何ですか?」




困ってるんですよね〜、なんて言いながらも声は弾んでるあたり…よっぽど今、人生楽しんでるんだろう。
まぁ、何よりだ。




「彼女が、バレンタインのお返しは夢の国でのデートとか言うんですよー。
男子高校生にそんな金あると思いますー?」


「…バイトでもしたらどうですか?先生方にバレないように。」


「うわー…先生が校則違反促すんですか?」




思いきり引かれたけど、でもそれしかないじゃないか。
お金稼ぎたいというのなら。