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(…明日、先生の誕生日だしなぁ…何、プレゼントしよう?)
ケーキは作る予定。ケーキじゃなくて、シュークリームとかでも良いかも。
そこら辺は、明日先生に聞くとして…問題はプレゼントのこと。
バイトなんてしてないし…あまりお金、ないんだよね。どうしよう…と悩みながら、お店をまわっていると。
「あれ〜っ、侑華ちゃん?何してんの〜」
「あ、こんにちは、市川さん。…お仕事、休みなんですか?」
「ちょっと待って。断じてズル休みじゃないからね。」
…ズル休みだと、思ってた。すみません。
今日、金曜日だし…私はもう春休みに入ってるから、あれだけど、社会人には春休みとかないだろうから。
「出張の帰りなの、今。可愛い女の子に会えたら癒されるかな〜と思って、帰りに寄ったら正解だったね。」
「…相変わらずですね。」
あ、でも、そうだ…私、市川さんに何もお礼言ってないや。あのとき、最初に駆けつけてくれたの、お父さんと市川さんなのに。
「…あの、市川さん。」
「ん?何?デートの誘いなら喜んで受けたいところだけど、カズに怒られちゃうからダメだよ?」