スタンドバイユー
「―うわっ!!びっくりした!!」




ドアが開く音と、彼の驚きの声が聞こえたのは、同時だった。




たぶん、彼がそこに見たであろう景色は、最悪だったに違いない。




「こ、このみさぁーん…?どうされました、かね?」




なんて、普段は絶対にしないご機嫌とりをしながら、あたしに近づいてくる愛に。





「もう!!愛なんて!知らないっ!!」




泣きながら膨れるあたし。




そう。




ドアを開けた愛が見たのは、





丸まったティッシュの中で泣く、あたしの姿だったはず…。








< 56 / 142 >

この作品をシェア

pagetop