片恋
新学期、波乱?
高校に入学してから、初めての冬を越して、二度目の春を迎えた。

ドキドキとうるさい心臓の音を聞きながら、私はクラス発表が貼り出されている学校の昇降口に、足を進められずにいた。

次々とクラス表を見に行く生徒たちを、少し離れたところから見ているだけ。


友達、誰も同じクラスじゃなかったら、どうしよう。

伊月くんと離れたら、どうしよう。


もう決まっていることだから、祈ったところで無駄な足掻(あが)きなのは分かっているのに、手を合わさずにはいられない。
< 38 / 412 >

この作品をシェア

pagetop