時を戻そう。シャンテルがシェインとして、大衆酒場である『夜鳴停(よなきてい)』の店員となり潜入調査を行っていた時間まで。

「シェインちゃん、これ五番テーブルに運んで」

「はい」
 両手に料理を抱えるシェインは、指定された五番テーブルへとそれを運ぶ。

「はい、お待たせしました」

「うひょー。美味そう」
 五番テーブルの客は、男性の三人連れだった。夕食を兼ねてこちらへ足を運んだのだろう。

「はい、こちらはこのタレで食べていただくのがオススメです」
 いつものシェインちゃんの一言アドバイス。これが、意外と評判がいいらしい。

「料理も美味しいし、酒もうまいし、お姉ちゃんはかわいいし」
 そこでシェインはお尻をペロンと撫でられた。この店ではよくあること。よくあること故、なんとなく対処はできる。

「はいはい。ここはそういうお店ではありません。私よりも美味しい料理ですよ。こっちを味わってくださいね」