「それもある。そんなチャラい男たちだったら、君の肘鉄を食らわせればよかったじゃないか」

 ガレットも怒っているのか、規則的にパンをちぎっては、口に入れ、ちぎっては、口に入れ。その合間にシャンテルに的確なツッコミを入れる。

「まぁ、そうですけど。一応、あのときはまだシェインでしたので。大事なお客様へそのような対応はできないのですよ」
 頭では駄目だとわかっているのに、ついつい言い訳をしてしまう。でも、肘鉄を食らわせることができない状況であった、というのは事実。

「その真面目さが今回のミスの一つでもあるな。他には、どんなミスをしたと思っている?」
 真面目さって、あそこで肘鉄食らわせて、あそこの酒場をクビにされたら、今までの苦労が水の泡でしょ。と思ったのだが、それを口にするようなことはしない。
 それよりも、他にもあるのか、とシャンテルは考えた。すべての事の発端は五番テーブルの男たちだと思うのだが。

「五番テーブルの男の他にもありますかね?」
 言うと、ガレットはパンを咀嚼しながら睨んできた。やっぱり、ガレットの言葉に反論してはならない。つまり、自分で考えろってことか。
「てなると、やっぱりカウンター席の男?」