「わかってるじゃないか。そいつの前で魔力切れを起こしたこと。気づいたときにすぐに逃げなかったこと。やられてる時に抵抗しなかったこと」
 ガレットが心にグサグサと刺さるような言葉をかけてくる。

「団長。違いますよ。魔力切れを起こしたのは事実ですけど。私は、逃げようとしました。抵抗しようとしました。だけど、その逃げ道を塞がれたんですよ。相手の方が三枚くらい上手(うわて)だったんです。危うく、朝までコースでしたよ」

「ゴホッ」
 今度はローガンが盛大にお茶を拭いた。
「ちょっと、ロー。何やってるのよ」
 シャンテルは子供の世話を焼く母親のように、手拭きをとると手際よく彼の口元を拭き、そしてテーブルの上を拭いた。

「ごめん、シャン。そして、ありがとう。そして、鼻が痛い」

「うん。だって、ローの鼻からもお茶が出てたもの」