「おつかれさまでしたー」
 と言って、ローガンが帰っていく。その彼から仕事を引き継ぎしたシャンテル。
 とりあえず、この書類を確認して、必要なものはあそこへ持っていって、と、今日の仕事を脳内シミュレーション。そもそもこの文官の仕事は片手間のようなものだから、ほんのり数時間の勤務。むしろ本番は夜のお仕事、と書くと語弊があるけれど。事実なので仕方なし。

「おい、シャンテル」
 中性的イケメンのガレット事務官長がやって来た。
「急で悪いが、これを陛下の元へ持って行ってくれないだろうか」

「はい、承知いたしました。ですが、ガレット官長ではなく、私が伺ってもよろしいのでしょうか?」

 基本的に、国王陛下直々の事務的な仕事はガレットがメインでさばいていく。それはもう、バッサバッサと。

「仕方ない。陛下からのご指名だからな」
 ガレットは、なぜかため息をついた。というのも、ここへ来る前に国王の元へと足を運んでいたからだ。