仁の本心が知りたい。

日が経つごとに椿の中でそんな気持ちが膨らんでいった。

そっとお腹に手を当てて、そこにある小さな小さな息吹きに意識を持っていく。

お腹はまだほとんど膨れておらず、子どもがいるという実感はないに等しい。

たったひとつ、医師からもらったエコーの写真だけがその子の存在を証明していた。

黒と白がノイズのように入り混じった画像。静止画にするとわかりにくいが、病院のモニターで見たときには、椿にも心臓の拍動がはっきりとわかった。

宝物でもしまうかのように、写真を机の引き出しの一番上に入れておく。

この子がいる限り仁は、たとえ愛しているのが菖蒲だったとしても、椿との結婚を選んでくれるだろう――それが椿には心苦しくて仕方がなかった。

妊娠が間違いだったと告げたなら、仁は結婚相手に誰を選ぶのだろう。

もしも椿ではなく、菖蒲との結婚を望んだとしたら?

――私はこの子をどうしたらいいの?

子どもを堕ろす、そんな選択肢が頭をよぎり、ぶんぶんと頭を横に振った。それだけは避けなければならないと考えを巡らせる。

――ひとりで産み育てるとしたら……。