むり、とまんない。


「まあ、なにがあったかは想像つくし、胡桃のことだから、あたしに心配かけたくないって、思ってるんだろうけど」


「……」


「変わんないねぇ、ほんと」


と、前に遥にも言われたことを苦笑いで言った。


「変わってないよ、遥くんは」


「え……?」


不知火くんが表紙の雑誌をパタンと閉じて、あーちゃんは私をじっと見つめる。


「胡桃が遥くんの心の声を聞いて、離れたあとも。遥くんの気持ちはずっとずっと、今も変わってない」


まあ、胡桃に距離をおかれて、荒れてたこと以外はなにも。


「あーちゃんも、遥が荒れてたこと、知ってたの……?」

「知ってるよ。
というか、この話、同中で知らない人はいないんじゃないかな。それくらい有名な話」


「え……」


「まあ、それを胡桃が知らないってことは、よほど遥くんを疎遠にしてたからだと思うけど、他クラスの人まで知ってるくらい、遥くんの気持ちは誰が見ても明らかだったってことだよ」


「遥の、気持ち……?」


「そう」
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