むり、とまんない。

ドラマ出演!?

***


ピピピ、ピピピっ。


んー……もう、朝?


閉じた目の外からまぶしい光が入り込んでくる。


ピピピ、ピピピっ。


うるさいなぁ……。


手探りでスマホへ手をのばすと、ピタリとアラームがとまって、代わりにふわっと手をとられた。


「胡桃。起きた?」


この声、遥……?


目をあけたいのに、眠くてできない。

そう思って身をよじったら、ギシッとベッドのスプリングが鳴った。


「まだ、覚めない?」
『相変わらず朝、弱いのな』


クスッと笑う優しい声のあとで、くすぐったい感覚が、手首、手の甲、頬に落ちてくる。


そして。

「んんっ……ふ、ぁ」


唇に落ちてきた羽みたいにやわらかいもの。


なんとか目を開ければ、三日月型に細められた目がドアップで。


でも、寝起きの頭じゃ、ぼーっとしてなにも考えられない。


「ふふ、とろんとしちゃってかわいい。
ほら、もう一回キスしよ」


「んっ……」


ふわふわと頭をなでる手と、唇の甘いそれにゆっくりゆっくり目が覚めていく。


「はる、か……?」
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