むり、とまんない。


「遥……」


眉をさげて落ち込んでいる頭をそっとなでれば、うれしそうにその手に擦り寄ってきた。


「けど、なるべくはやく帰ってくるから、またおかえりって言ってくれる?」


「うん」


「ありがとう。
胡桃、だいすき」


「私も……」


「はぁ、幸せ。
じゃあ、さっきいじわるしちゃった分、今度は時間までたっぷり甘やかす」


「っ、まだキスするの!?」


「あたりまえじゃん。
胡桃とまた離れるからその分と、今日を乗り切るためにな」


そう言ってまたキスしてきた遥を受け入れる私も、遥と同じ。


離れるのが寂しいのは私も同じ。


今日の夜ごはんは、遥のリクエストにお応えしようかな。

なんて、キスを受け止めながらそんなことを考えていた。
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