むり、とまんない。


「おかえりのキス、してほしいな。
あと、あーんも」


「っ、はっ!?」


「ふっ、顔真っ赤。超かわいい。
じゃ、楽しみにしてる」


「あっ、ちょっ、はる……っ、」


き、キスって……!


そして鼻歌でも歌いそうなほど楽しそうに笑うと、ポンポンと頭をなでると車に乗り込む。


「遥、その愛想の良さ、他で出さない?」


「胡桃限定だから死んでも出さない」



そして車が去ったあとも、私はそこにたたずんだままだった。


「は……え?」


わ、私からキスって……。


っ、どどど、どどうしよう……!?

うまくできる自信ないよ……!!


家の中に入っても、落ちつかなくて特に意味もなく立ったり座ったりを繰り返す。


帰ってくるまでまだ何時間もあるのに、今からめちゃくちゃ緊張するんだけど!!


なにか、なにか。

別のことでもして気を紛らわせ……。


っ、そうだ!
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