むり、とまんない。


「じゃあ、今後の方針もきまったところで!
杏!今日の遥の予定は!」


「はい!一日オフであります、桃華隊長!」


な、なにこのやりとり……。


そういえば昔もこうやって。

桃華と杏がおもしろいことやって、遥と私が笑ってたっけ。


なつかしいな……。


「ふふふ!そうやってもっと笑いなよ、胡桃!せっかくあたしより何倍もかわいい顔してるんだから!」

「そうそう!
正直そこらのモデル以上、いや、ウルトラ級なんだし!」


「いいよ、お世辞は……」


芸能界にいるふたりとじゃ、オーラも容姿も。

ぜんぶが比べ物にならないくらい劣っているのはほんとだから。


「んー、これは遥も苦労するなぁ」


杏は頬に指をあてて、苦笑い。


「自分に自信がないところは、追々治していく必要があるね。もしくは、遥におまかせ」


なぜか桃華もヤレヤレとため息をついた。


「あんまりアテにしないほうがいいよ。遥の場合は逆にもっと地味にしたいって言いそうだし」

「あー、可愛さ、気づかれたくなくて?」


「そういうこと」


ま、また話がわからない……。

というか、話ズレすぎでは?


「まあ、とにかく!
胡桃、今日買い物行くって言ってたよね?
たのんだよ!」


「ああ、うん。
まかせて……?」

「杏。
任せたわよ」

「りょーかい!」


そのあとふたりはコソコソとスマホを見ていたけれど、なにをしているのかわからず。

あれ、結局なにも解決してなくない……?


そう一人で落ちこむしかなかった。
< 80 / 346 >

この作品をシェア

pagetop