その星、輝きません!
一緒に居たい
 *****

 スマホの通話を終わらせてテラスに戻ると、今にも笑い出しそうな顔で目を閉じている彼女がいた。僅か十五分ほどだったと思う。まさか、寝てしまったのか?


 俺は、彼女の頭の横に腰を下ろした。

 山下も良太も、電話なんてしてくるな! と、言いたいのを堪えた。あまりにも、彼女が気持ちよさそうに眠っているので、起こしては可哀そうな気がした。


 俺は、そっと彼女の頬に掛かった髪を耳にかけた。


「星那…… もう少し、話がしたかったのに……」


 俺は、彼女の頬に、そっと自分の指をあてた。柔らかくて、綺麗な頬だ。日に焼けてしまったと、必死でローションを塗っていた姿を思いだして、にやけてしまった。

 今日一日、良く笑った。こんな、時間をずっと過ごす事は出来ないのだろうか?


 ノースリーブのワンピースから、綺麗な肩が見える。さっき、テラスで夕日に照らされたワンピース姿を見た時は、あまりに綺麗で心臓が止まるかと思った。

 本当に、よく似合っていると思うが、できれば、他の男には見せてほしくない。プールバーでも、チラチラ彼女の水着姿を見ている男が居て、気が気ではなかった。


 もう、これ以上、自分の気持ちを誤魔化す事は出来そうにない。
 こんな感情は始めてだ。


 彼女の、あどけない寝顔を見ながら、俺は、込み上げてくる気持ちをぐっと堪えていた。


 夜空を見上げ、本当に綺麗な星だと思った。
 
 彼女の目に、俺はどんな風に映っているのだろうか?
 少し冷たい風が、頬をかすめた。
 彼女の背中に腕を回し、そのまま抱きかかえた。

 寝室のべッドの上に彼女をそっと下ろした。冷たくなった肩に、そっと布団をかける。

 俺もするりと、ベッドの中に入ると、腕の中へ彼女を引き寄せた。


 しばらく、彼女の寝顔を見ていたが、いつの間にか目を閉じてしまったようだ。
 目覚めたら、きっと怒られるだろうな……
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