音に祈りを!歌に願いを!
二曲目
あれから1週間後。今日も、何一つ変わらない日々を過ごしていた。
学校では友だちと騒いで、学校が終わったらすぐに真空のところに行って、悠と一緒に特訓をしたり、ゲーセンに行って音ゲーをして、帰ってからは音ゲーとは違う趣味に没頭して……。
悠は悠で、大人しく1人で本を読んだり、携帯を触ってる。
最近知ったんだけど、悠って実はすごく明るい。学校にいる時とは、比べ物にならないくらい。
「陽音~!早く真空のところに行こうよ!!」
先生から頼まれてたことを終えて正門をくぐると正門の前で待ってたらしい悠は、ぱぁっと花が咲いたように笑う。
「うん、行こうか」
そう微笑んで、僕らは歩き出した。
「ねぇ、陽音……昨日追加された楽曲、難しいね。ハード、クリア出来ない……」
「……初見でハードしたんだけど、いつもよりもトリルが多いね。階段も入ってたし……」
「俺、トリル自体叩けないからね」
「トリルは、難しいからね……俺も、最初は苦手だった……後、認識難も苦手だったな……」
「そうなんだ。陽音って、いつぐらいから音ゲーを始めたの?」
悠の言葉に、僕は小学6年生の頃の記憶を思い出す。
僕が音ゲーを始めたのって、友達が離れて行ってからだよな。