音に祈りを!歌に願いを!
「……」

僕と目を合わせた悠は、安心したように微笑むと「じゃあ、ご飯食べようか」と言った。



「AP……!?陽音くん、音ゲー上手いね……」

「ありがとうございます」

夕ご飯を食べたあと、僕らはマルチライブで遊んでいた。

僕は、ランダム選曲で選ばれた楽曲のマスターをAPやフルコンをして、3人を驚かせていく。

こんな、幸せな時間が……ずっと続いたら良いのに。



「悠!」

「は~い!そーれっ!」

ある日の、学校からの帰り道。たまたまシャドウと遭遇した僕らは、シャドウを浄化する。

「……疲れた~!ねぇ、陽音……今日、訓練休みだし近くの公園行こうよ!」

悠の言葉に僕は「良いよ」と返すと、近くにある公園に移動する。

「……実はね……俺、好きな人がいるんだ」

悠は、そう言うと池周りに建てられてた柵に腕を乗せた。

「でも、俺が好きになったのは女の子じゃない。同性なんだよ」

そう言って、悠は憂いを帯びた表情で池を見つめる。そして、目を閉じた。

「俺が好きになったのは、明るくて優しくて……すぐに壊れていきそうなほど繊細な……男の子なんだ……馬鹿みたいに学校で騒いでるけど、本当は大人しくて……守ってあげたくなるんだ」
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