音に祈りを!歌に願いを!
一曲目
次の日。ゲーセンの近くで僕はイヤフォンを耳に付けて、スマホの音ゲーをしながら悠たちを待っていた。
普段はタブレットで音ゲーをするんだけど、今は外にいるから出来ないんだ。
……久しぶりに親指でするけど、案外繋がった……。
「陽音って、親指でも高難易度の譜面出来るんだ……」
僕がリザルト画面をぼうっと見つめていると、近くから声がして、僕は声がした方を見る。そこには悠がいて悠と目が合うと、悠は「おはよう」とにこりと笑った。
「……おはよう」
「集中してたから、声をかけづらくて……少しだけ、見てたんだ……」
悠はそう言って、微笑みながら僕を見つめる。
「……その音ゲー、俺もやってるよ。フレンドになろうよ」
そう言いながら、悠はカバンからスマホを取り出した。
「……良いよ。フレンドになろうか……スマホの方は、サブ垢だから……連絡先交換して、またメインの方は後で送るね」
イヤフォンを外して、イヤフォンをカバンに片付けるとスマホを操作しながらそう言うと、悠は「分かった!」と頷く。
悠とフレンドになって連絡先を交換してると、「遅れてごめん」と声がして、僕らは声がした方を向いた。
そこには、昨日あった、ここのゲーセンの制服を着た男性が立ってる。