獅子組と私

【ゲームセンター】

せっかくならと、このままゲーセンでも行こうという話になり、今ゲーセンにいる五人。

飛鳥「椎那!おいで?」
道彦「椎那ちゃん、頑張れ!」
滉二「ほら、もうちょいだよ!」
一朗「椎那ちゃん!!あと、少し!」
椎那「うー、手の力が……」

飛鳥達は今、ゲームセンター内にあるボルダリングをしている。
四人はかなり楽に登って行ったのだが、椎那はひとつひとつゆっくり登っていた。

飛鳥「あと、そこを登れば!」
飛鳥が手を伸ばしている。
椎那「はぁはぁ…うー」
道彦「あ、もうちょい!」
滉二「よし!テッペンだ!」
一朗「お疲れ!椎那ちゃん!」

椎那「疲れた…はぁはぁ…」
飛鳥「よく頑張ったね!偉い!偉い!」
頭をポンポンと撫でる、飛鳥。
椎那「うー、子ども扱いされた……」
道彦「ハハッ!でも女にしては、凄いんじゃね?」
滉二「その細い腕で、よく登れたよ!」
一朗「凄いよ!」

椎那「え?なんで、みんなは息切れしてないの?」
飛鳥「これくらいでは、息切れしないよ!」
道彦「軽くいけるし!」
滉二「もっと上級者とこしてみたいな!」
一朗「だな!まだまだ、いけるよ!」

椎那「へぇー、私もできるかな?」

飛鳥「は?椎那には無理だよ?それに危ない!」
道彦「ここでやめとこ?」
滉二「怪我したら大変だから。ね?」
一朗「これ以上は、無理だと思うよ?」

椎那「えー、酷いよ…!私だって、頑張れば…!」

飛鳥「そうじゃなくて!男と女じゃ違って当たり前でしょ?」
道彦「そうだよ。特に椎那ちゃん、ほんと食べてんのかって位細いし!」
椎那「私は、体質であんま太れないの!
でも最近、ちょっと太っちゃったけど……」
滉二「え?どの辺が?」
一朗「だよな?全然、ほっそいけど?」

椎那「私だって!力いっぱい握ったら、痛いはずだよ!」
飛鳥「じゃあ…握ってみてよ!」
椎那「いいよ!」
飛鳥と手を繋ぎ、椎那はおもいっきり飛鳥の手を握った。

椎那「んーーー!!」
椎那は顔が真っ赤になる程握っているが、飛鳥は涼しい顔だ!
飛鳥「椎那、頑張れ!」
しかも応援までされる始末……
その後も道彦、滉二、一朗と順番に力いっぱい握るが、みんな全く痛がらない。

道彦「椎那ちゃん、本気だして構わないよ!」
滉二「両手使ってみて?
……椎那ちゃん、全くだよ…」
一朗「椎那ちゃん…これじゃあ、簡単に男に拐われるよ……!」
椎那「じゃあ…逆に握ってみて?」
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