神、恋に落ちる
「白羽、一緒に死のうか?」
「え……命…さ…」

後ずさる白羽を無理矢理引っ張り、抱き締めた命。

「じぃちゃんみたいに死なれたら、俺は生きていけないし。白羽が傍にいないなんて、耐えられないから。
だから白羽と一緒に死にたい!」

白羽は震えていた。
怖かった━━━━━━

命の言葉は、何の……偽りもないから。

「怖い…」
白羽が、腕の中で呟いた。

「大丈夫。一瞬で逝かせてあげるよ?」
「そうじゃない」
「え?白羽?」
「命さんと離れるのが、怖いんです……」

「え………」
命は腕を解き、白羽の顔を覗き込んだ。
「俺の傍にいてくれるの?」
そして白羽の頬を包み込んで言った。

「私が怖いのは、命さんと離れることです。
さっき、怖いって言ったのは……あんな残酷な命さんを見ても、命さんの傍にいたいと思った自分が怖かったんです……」

「そっか。そうだよね…!
やっぱ、白羽は俺の天使だ!
はぁ…好き、好き、好き…大好き……」


それから、命は白羽に何度も求めていた。

「はぁ、はあ…命さ…も…だめ……
休…憩…させてくださ…い」
「やだよ…まだまだ、終わらない……
止まらない…白羽が、俺から放れないって言ってくれたから…
ほら、白羽…いつもの!言って?」

「命さ…す、き……」
「俺も大好き…愛してるよ……」

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「んんっ!
━━━━━━━!!!?嫌っ!!?」
ガバッと起き上がる、白羽。
肩で息をする。

「あ…夢か……」
命が三吉をなぶっている場面の夢を見た、白羽。

横を見ると、命が気持ち良さそうに眠っている。

本当に美しい人だ。

この美しい人は、強くて、賢くて、甘くて、残酷だ。
きっと叔父夫婦を地獄に落としたあの日から、ずっと残酷な行為を繰り返してきたのだろう。

命の世界に土足で踏み込む虫螻を、潰して地獄に落とし徹底的に排除してきたんだろう。

白羽は、ブルッと寒気がしていた。

ふと、命のスマホが目に入った。

ゆっくり掴んで、命の指を静かにつまんで指紋認証しロックを解除した。
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