【コミカライズ】腐女子令嬢は隣国の王子から逃げられない~私は推しカプで萌えたいだけなのです~
 放課後。どこでテスト勉強を行うかといえば、やはり文芸部の部室。生徒会室を使ってもいいよ、とフランシスは言ってくれたのだが、何よりもそのフランシスとイブライムの前で勉強をしてしまうと、妄想が広がってしまうための自主規制。アイリーンの中で当初のカップリングからかわってしまったのは、ダンカンとジョアキナに特定の女性がいたためだ。
 ダンカンとサラはお付き合いしている仲だが、ジョアキナとノエルの関係が不明。ノエルは多分、ジョアキナのことが好きなのだろう、と思う。だが、ジョアキナの態度が読めない。妄想カップリングは得意だが、リアルカップリングは難しい。

「エル。ここを教えて欲しいのですが」

「あ、ここはね」
 アイリーンがプーランジェ語を教える代わりに、ノエルが他の科目を教えていた。一応、授業は真面目に聞いているアイリーンだが、やはり言葉のニュアンスでわからない部分がある。それをノエルが丁寧に教えてくれる。
「エルの教え方は、とてもわかりやすいですね」

「本当? 嬉しい」
 ふふん、と鼻歌を歌い出したノエルはご機嫌だ。最近、ノエルの調子が良い。ご機嫌な日が多い。ジョアキナとうまくいっているのかと思いきや、そちらの方では無いらしい。どうやら、ナミカに薦められて買った本が当たりだったらしい。そして、安定の月雲シリーズで心の栄養を補充している、とのこと。
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