【コミカライズ】腐女子令嬢は隣国の王子から逃げられない~私は推しカプで萌えたいだけなのです~
 そして緊張の休みの日。ノエルに告白されてから、今日までどのように過ごしていたのかをあまり覚えていない。ただ、テストが終わって周りも浮かれていたから、自分もその浮かれ生徒の一人になっていたのだろう、と思う。
 待ち合わせはいつもの噴水の前。
「リーン」
 ノエルがアイリーンの姿を見つけると、手を振ってくれた。
「お待たせしました」

「私も今来たところだから。それよりも、急なお願いでごめんね。叔父がね、早く連れてこいってうるさくて」

「アディ先生って、男性の方だったんですね」

「え。今更それを言う?」
 と言ってノエルは笑った。つられてアイリーンも笑った。ちょっと緊張が、どこかに吹っ飛んだ。
「今日は叔父の家に行くんだけれど。実は、母も行っているの」
 その、後出しじゃんけんのような告白をやめて欲しい。
「叔父がね、母に連絡したらしくて。そうしたら、母も久しぶりに私に会いたいらしく。そしてそれよりも、リーンに会いたいって」

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