学院も年末年始休暇に入る。その間、寮も閉まる。アイリーンは、自国で新年を迎える予定。ノエルも、嫌だけど帰るわ、と、しぶしぶ荷物をまとめていた。
 アイリーンが一時帰国する前に、ノエルは約束通りイルミネーションに連れて行ってくれた。アスカリッドではこのようなイルミネーションで新年を迎えるらしい。夜でも町中明るくて、少し幻想的であった。アイリーンの中では、ネタとして心に強く書き留められた。

 休暇に入って三日目の朝。アイリーンの父親が彼女を迎えに来た。顔を見るなり。
「また、アスカリッドとの会議とかがあるから」
 と言う。どうやらまた、プーランジェの国王陛下にいいように使われているようだ。
 アイリーンの荷物を宿の方に運び入れると、そこから馬車で王宮へと向かうことになった。

「そうそう。リーンはね、アスカリッドとの通訳として正式に認められたから。これ、陛下からのプレゼント」
 馬車の中で、その陛下からのプレゼントを渡された。文官のローブ。

「まだ、学院も卒業していないのですが、よろしいのでしょうか」
 アイリーンが父親に尋ねる。

「リーンほど、アスカリッド語に堪能な人は、他にはいないからね。今回も期待しているよ」
 朗らかな笑顔を浮かべている。