とうとうやってきた卒業パーティの日。アイリーンはユミエーラからのドレスに腕を通した。さすがユミエーラ。そのドレスはアイリーンの可愛らしさを引き出している。薄い水色はきっとアイリーンの瞳の色をイメージしてくれたのだろう。
 お約束の噴水の前。今日は卒業パーティということもあり、たくさんの令嬢、もしくは子息たちが自分の相手が来るのをそこで待っている。

「リーン」
 たくさんいる人の中から、迷わず彼女を見つけ出すイブライム。
「お待たせしてしまって、申し訳ありません」

「いや、そんなに待っていない」
 と言うイブライムは照れているからなのか、アイリーンの顔を見ようとはしない。そのかわりすっと腕を差し出す。それにアイリーンは自分の腕を絡めた。

「そのドレスもよく似合っている」

「このドレス。ユミエーラ様から贈っていただいたものなのです」

「は、母上が?」
 イブライムは知らなかったのだろう。思わず素が出たらしい。