【コミカライズ】腐女子令嬢は隣国の王子から逃げられない~私は推しカプで萌えたいだけなのです~
 食事をしながらアイリーンの説明を聞いていたランスロットの手は、いつの間にか止まっていた。それは彼女の回答がこの国の将来を見据えたものであったからだ。念のため記載しておくが、アイリーンはビーエルについては一切触れていない。隣国の言葉と文化の習得のため、という理由に留めている。

「やはり、アスカリッドとの交流における大きな障害は、言葉と文化ですね。それを公爵令嬢であるあなた自らが学ぶということは、大きな意味があるのかもしれない」

「騎士団の中にもアスカリッドの方はいらっしゃらないのですか?」

「そうですね。純粋なアスカリッド人はいません。両親のどちらかがアスカリッドという者はいますが。ただ、郷に入れば郷に従え。振る舞いや動作はどこからどう見てもプーランジェの者です。言葉についても、少しは話せる者もいうようですが、親に教えられたという程度では、普段から使っていないとやはり忘れてしまうようです。アイリーン嬢はアスカリッドの言語のほうは習得されたのでしょうか。これから留学するにあたって、言葉がわからないのでは大変ではないでしょうか」
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