【コミカライズ】腐女子令嬢は隣国の王子から逃げられない~私は推しカプで萌えたいだけなのです~
 うん、見知った顔しかいない。
 美男美女のカップルと、例の第二王子と金魚のフン。つまり、二組のカップルというわけだ。

「まあまあ、中に入って。さ、お茶でも飲みながら」と、フランシスが二人を中へと招き入れる。
「空いているところに適当に座って」
 フランシスにそう言われても、どこに座ったらいいかアイリーンはわからない。ノエルに視線を向けると、こっちにおいで、とその目が言っていたので、彼女の隣に座ることにした。もちろん、イブライムからは一番遠い場所。
 お茶とともに、一枚の紙ぺらが配られる。
「イブとジョアはアイリーンさんと同じクラスだから、顔馴染ってことでいいかな。自己紹介とか省くよ」
 という前置きをして、フランシスは配った資料について説明をする。
 つまり、新入生に対する生徒会主催の学院紹介の件だ。

「以上が例年の流れだね。何か、質問はあるかな」

「あの」
 おずおずとアイリーンは手を挙げた。
「この、新入生歓迎パーティとは何を行うのでしょうか」
 アイリーンはこのパーティという響きが好きではない。

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