彷徨う私は闇夜の花に囚われて

メッセージ




『紅バラとましろが付き合ってるのを広めてるのは“紅バラ”だよ』


数日後の昼下がり。


勉強の休憩中にSNSを開くと、見知らぬ人からこっそりとメッセージが送られていた。


アイコンは初期設定、プロフィール欄には文字一つない。


どんなことを呟いているのか遡ろうとしたけど呟き件数が0で、この人に関する情報はなにも得られなかった。


明らかに普段は使われていないアカウント。


私、これ知ってる。捨てアカウントってやつだ。


そんなアカウントから届いた奇妙なメッセージ。


「どうしたらいいのかな……」


迷いがため息と共に口をついて出た。


いつもなら相手にせずに放置しておくんだけど、紅バラさんの名前を出されると気になってしょうがない。


炎上した日からずっと頭の片隅で引っかかっていた疑問でもあるから、なおさらのことで。


このまま勉強に戻っても集中できない自分の姿がありありと目に浮かんだ。


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