王都での生活は、とても楽しかった。

 ミリエラと王都見物をしていない時のジェラルドは、あちこち出かけていき、古い友人達と旧交を温めているらしい。それから、ミリエラとふたりで開発した保冷布の他、新しい魔道具の売り込みもしているそうだ。

 だが、そういう売り込みの場にミリエラを同行させることはなく、出かける時には、たいていカークと一緒に祖父母の家に預けられた。

 祖父母と過ごす時間も楽しかったから、ミリエラには不満はないし、カークもふたりにはよく懐いている。

 ディートハルトがいなくなった穴は大きく、まだ埋めることはできないでいるけれど、領地に戻る前にもう一度会うことはできるだろうか。

「おじい様、迷路に行こうよ!」

「ミリィ、伯爵様をそんなに引っ張ったら転んでしまうぞ。伯爵夫人、俺でよければエスコートします」

「あらあら、素敵な騎士さんね」

 意外にもというと失礼になってしまうだろうか。

 カークは見事な騎士っぷりを発揮し、祖母をきちんとエスコートしている。そういうふるまいは、オーランドから習ったのかもしれない。
「ミリィは、いい友人に恵まれたのだな」