天才幼女錬金術師に転生したら、冷酷侯爵様が溺愛パパにチェンジしました!
 けれど、ミリエラはそれ以上何も言わなかった。ジェラルドの膝の上で向きを変え、ぎゅっと抱きしめてくる。

「ねえ、パパ。まだ、ミリィがいるよ?」

 小さな手が髪を撫で、濡れた頬に柔らかな頬が触れる。

 娘に抱きしめられているというのに、まるで母か姉に抱かれているような安心感を覚えた。

「……あっ」

 不意に静かに流れていた音楽が止まる。

 見上げると、そこに映し出されていたアウレリアの姿も失われていた。

「壊れちゃったね」

 しょんぼりとしているミリエラが愛しくて、思わず手を伸ばし、抱きしめ返していた。
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