想いのままに心のままに ~結婚より仕事の30女が身ごもりました~
過去の清算
毎朝、宏貴を起こして朝食を作り、行ってらっしゃいと送り出す。
見送ってから朝食の片づけをして、洗濯をしたり、掃除をする。

今までは、休日くらいしかお日様にあてられなかった洗濯物も、布団も、あたたかいお日様にあてることができる。
ほつれていても直す余裕がなかった宏貴の服を縫ったり、汚れている洗濯物を手洗いする。

部屋の隅にたまったほこりを隅々まで掃除する。

ずっと休んでこなかった仕事を休んで、恵理は今までできなかったことに時間を使う努力をしていた。

病気になってから、体調が悪くて仕事を休む日はあっても体調がいいのに休んだことなどなかった。

罪悪感は消せなくても、本当に仕事をやめることになったらこういう生活が続くのだと無理に慣れようとしながら過ごしていた。

余計な考えに支配されそうなときは、時間がかかるような料理を作ったり、近所の公園に散歩に行った。
< 201 / 263 >

この作品をシェア

pagetop