想いのままに心のままに ~結婚より仕事の30女が身ごもりました~
恵理が父との関係を宏貴に伝えてから、1か月が経っていた。
あれから宏貴は恵理に結婚の話はしてこない。

でもこれまで以上に恵理に甘くなった。

それまでも一緒に過ごすことの多かった二人。
この1ヵ月は宏貴はほとんど恵理の部屋に泊まっていて、仕事中もプライベートでも一緒の時間が断然増えた。

「チェック終了。大丈夫。少し訂正かけたから最後確認して。」
「ありがとう。ねぇ、ここなんだけど、もう少し間隔開けられる?」
「あー。かして。」
お互いの仕事をしている時の距離感は変わらない。
恵理の持っていたマウスを預かり、宏貴はさっと訂正をかける。
「さすが」
恵理は仕事に関して、すぐに宏貴に相談をするようにしている。
そのほうが圧倒的に仕事がはかどる。
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