キス魔な御曹司は親友の妹が欲しくて必死です
俺は最初に言ったはずだぞ、男の家に住まわせていいのかと。
こうなることを想像できなかった陸翔が悪いと思うんだが?
とはいっても、俺も茉緒を好きになるとははじめは思っていなかったが。
「まさか、智成が茉緒のこと……いやいや、まさか。だって茉緒はお前の趣味とはかけ離れてるだろ」
「なんだよ趣味って」
「だってお前の連れて歩く女は美女か才女、いや、その両方持ってる女だろ。たまに色気のある女もいたな。俺の知っている女と茉緒とはかけ離れてる次元の女ばっかりだ。まさか茉緒にまで手を出すとは思わないだろ?」
「いやいやいや、俺を節操のない男みたいに言うなよ、そんなに女連れて歩いたことないぞ」
とんだ濡れ衣だと否定したが陸翔は訝し気に俺を睨む。
確かに今まで付き合った彼女と茉緒は少し違う。
茉緒はどちらかというと美女というよりかわいい部類で少し天然っぽいところがある。根っからの妹気質なんだろう、放っとけないというか構いたくなる。今まで付き合った彼女はどこかツンとしたプライドの高い女性が多かった。
ただそれは、俺の周りにはそんな女ばかりだったから自然とそうなっただけで、趣味かと言われると、俺にとっては茉緒の方が趣味だと言いたい。
「お前は気づいていないだろうが、秘書課の女はみんな智成の女だと思ってるぞ」
「冗談よせよ、それただの部下だろ。連れて歩くのは仕事だからだ! おかしなこと言うな」

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