キス魔な御曹司は親友の妹が欲しくて必死です

胸が痛いです

お兄ちゃんが退院して五日目。
頭以外はどこも異常がなく元気で、ぐるぐる巻きにしていた包帯が大きめのばんそうこうになり、明日からもう仕事復帰するらしい。
逆に私は調子が悪い。
あまりにもお兄ちゃんを心配しすぎて思った以上に精神的に参っていたのかもしれない。
なんとなくだるく食欲がなくて逆にお兄ちゃんを心配させてしまった。
でも、バイトは行けてるし病院へ行くほどでもなさそうでそのうち戻るだろう。
今日の夜は智成がうちに来て久しぶりに三人で宅飲み。
私を真ん中にいつもの座り位置に落ち着くといつも豪快に飲むお酒も今日はあまり受け付けずちびちび飲みながらふたりの会話を聞いていた。
「五日も休んで悪かったな」
「いや、大変な目に遭ったんだから短いくらいだろ。逆に悪いな、あんまり休ませられなくて」
「それを言うなら智成は働き詰めだろ? 大丈夫か? なんなら茉緒に泊りに行かせるか? 茉緒がいた方がお前にはいいだろ」
「え!?」
「それはもちろん。でも、まだ陸翔の怪我も治ってないし茉緒がいてくれた方がいいんじゃないか?」
「日常生活に困るほどの怪我じゃないし大丈夫だ。それよか大事な時期だし今智成が倒れでもしたら大変だろ」
「倒れるつもりはないけど茉緒がいてくれるのは嬉しいな。でも、明日から二週間の出張が入ってるんだよな。どうするかな」
「じゃあ、帰ってからにするか?」
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