キス魔な御曹司は親友の妹が欲しくて必死です

サプライズです


***

朝起きると、なぜか自分の部屋でリビングにあるブランケットに包まれていた。
「あれ? 私……」
昨日確か、ぎくしゃくしながらも智成と一緒に映画を見てたはず。
話題だった恋愛ものだったけど、その映画のヒロインの境遇が私と似ていてちょっと見るに堪えなかった。
自分は傷心中だったと忘れていたほど、今の智成とお兄ちゃんとの三人の生活が楽しくて、この映画で思い出して一気に現実に引き戻されたようで胸が苦しくなった。
そして話の内容は全然面白くない。
私の境遇もこんな感じだったんだなと図らずも客観的に見てしまった。
全然楽しむ気持ちにはなれず、そのうちうとうとしだしそのまま寝てしまったらしい。
自分で起きて部屋まで歩いてきたのだろうか?
でもブランケットがあるからもしかしたら智成に運ばれたかもしれない。
それは、ちょっと、いや、かなり恥ずかしい。
思いっきり不細工な寝顔も見られたことだろう。
しかも運ばれたとすれば体重も……。
あ~絶対重いって思われた!
一度お腹に手を回し抱き抱えられたことはあったけど、寝ている人間は余計重く感じるっていうし、絶対智成ならからかってくるだろう。
ひゃー失敗した!

< 38 / 252 >

この作品をシェア

pagetop