キス魔な御曹司は親友の妹が欲しくて必死です
ガックリきて陸翔に心の中で、そういうことは恋人にしろ! と茉緒と同じことを突っ込む。
ほんとこの兄妹仲良すぎだ。俺が妬けてしまうほど。
先を越されたことにも腹が立ち、茉緒のスマホを奪うとちょっと仕事の話をして切ってやった。
怪訝な顔をする茉緒に、不機嫌なまま文句を言ってしまったことを謝り素直にいじけた経緯を話すと子供みたいだと笑われたのには参った。
茉緒のくるくる変わる表情にいちいちドキリとさせられる。
笑った顔も、真っ赤な顔して焦った顔や、怒った顔もどれもがかわいく見えるんだ。
男の影が見えた途端に黒く渦巻くものも嫉妬だと薄々自覚していたが。
自制していたつもりなのに、陸翔にも釘を刺されたっていうのに、まずいな、どんどん惹かれているのが自分でわかる。
陸翔の妹を好きになるとか、出会った頃には考えられなかった。
仕事のことや自分の問題もあるのに、浮かれてる場合じゃない。
茉緒だって俺のこと兄貴感覚で男として意識してはいないだろう。
じゃなきゃ普通、男の上を跨ったり、パジャマ姿や薄着で目の前をうろうろしたりはしないだろう。俺の前でも恥じらいってものがないんだ、悲しいことに。
俺ひとりで勝手に突っ走って茉緒に引かれるのは困る。
逸る気持ちは理性で抑え込んでおかないと。
でも今日だけは特別だ。
一日どこでも付き合うつもりでどこに行きたい? と聞いたらそんなのいいからと遠慮する茉緒に、今日休むために必死で仕事してきたのにそれを無駄にする気かと言ってやったら渋々聞き入れてくれた。
トラブルがまだ解決してないのにと心配していたが、陸翔が必ず解決してくれると安心させるように言い聞かす。
実際、俺は心配してない。
陸翔の手腕は折り紙付きだ、あいつを信頼してる。
後は結果報告を待つのみなんだ。
それよりも、今日一日茉緒を心置きなく楽しませたい。
はしゃぐ茉緒を追いかけながらなんでも言うこと聞くくらいは甘やかしてやろうと思っていた。

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