智成は思った通り恋人になった私に優しく甘く、私たちは毎日のように抱き合い体も心も満たされ幸せいっぱいだった。
恋人になって新しい発見は、智成はかなりのキス魔だってこと。
家にいる間、ご飯作っている私に後ろから抱きついては首にキスを落とし、ソファーでふたりで映画を見てる時もチュッチュと頬や手にキスをして、ベッドの中でも眠るまでキスをして、とにかくキスしまくり。私はそれを受け入れるたびにくすぐったくて幸せでくすくす笑ってお返しにキスをした。
だけど、そんな甘~いラブラブ生活は五日で終わりを告げた。
「お兄ちゃんおかえり~」
「おう、ただいま」
玄関まで出迎えると変わらず飄々としたお兄ちゃんが立っていてうれしくなった。
鞄を受け取り、お兄ちゃんが私の横に立つとポンポンと頭を撫でる。
「大人しくお留守番してたか~?」
「ちょっと、子供じゃないんだから!」
手を払い頬を膨らませ半分笑って文句を言う。
お兄ちゃんも悪い悪いなんて言って笑い飛ばし、急に鼻をクンクンさせる。
「ん? 茉緒、智成と同じ匂いがする」
「えっ!!?」
お兄ちゃんが帰るまで私と智成は家にいる間べったりでベッドも一緒だったから匂いが移ってしまったかも? ふたりのこと言う前に気づかれたらやばいわ! 話がややこしくなる。
「あ、当たり前か。あの高いシャンプーとか一緒に使ってるもんな」
「そ、そうだよ。お兄ちゃんも同じの使ってたでしょ」
「出張の間に俺の匂いが変わってるよな。こんないい匂いだったんだって改めて思うわ。智成いいセンスしてる」
「あっはは、そうだね」
私は乾いた笑いで顔が引きつった。
ドキドキした~! お兄ちゃんが勝手に納得してくれたのには助かった。
お兄ちゃんは「我が家に帰ってきたー!」っとドサッとソファーに座る。
我が家じゃなくて、智成の家だけどね。
私はお兄ちゃんが無事に帰ってきたことに安堵したのと、智成とのこと説明する前にぼろが出ないようにしないと。っていう緊張感でなんとなくぎこちない。