キス魔な御曹司は親友の妹が欲しくて必死です
私の呟きにピクリと反応した智成は、眉根を寄せ私の顔の横に両手をつき上から顔を覗き込む。
「俺にどうしてほしい? 茉緒」
「え……」
射貫くような目で私を見つめ厳しい声なのに、なぜだか懇願してるようにも聞こえた。
智成はいつも横暴なくせにこういうときだけ私に言わせたがる。
まるで自分に自信がなくて私に存在を認めてほしいみたいだ。それに応えるように私は口を開く。
どうしてほしいだなんて、私が智成に願うのはひとつ。
「抱いて、智成。私を愛して。ずっと、ずーっと」
未来永劫、愛し尽くしてと言わんばかりに智成を見つめて言うと、フッと笑った智成が体を起こした。
素早く着ていたTシャツを脱ぎ捨てると私に再び覆いかぶさりその目が壮絶な色気を放った。
「忘れるな茉緒、たとえ離れて暮らしても俺はお前の恋人だ。絶対離さないからな。よそ見なんてできないくらい愛し尽くしてやる」
「うん……うん、智成、大好き」
「俺も」
ほしい言葉をくれてうれしくて涙が零れる。
噛み締めるように何度も頷いて智成を見つめた。機嫌が直ったのか柔らかく笑った智成が涙を手で拭い優しいキスをくれる。
それは徐々に深くなり朦朧としてくると足を上げられすでに準備の整ったそこを一気に貫かれて全身が痺れた。
さすがに声や音が漏れないように気を遣ってるのか智成はいつもよりもソフトな動きでそれがとても気持ちよかった。
声が漏れそうになるとキスをされ私たちはくすくすと微笑み合いながら揺れるベッドの波に身を委ねた。
でも、優しかったのは最初だけ。
智成は何度も俺が茉緒の恋人だと言い聞かせるように言って私を何度も快感の絶頂へと押し上げ明け方まで離さなかった。
智成は不安なのかな?
そんなことを思ったのはもう疲れ果て眠りにつく寸前のことだった。
< 94 / 252 >

この作品をシェア

pagetop