すっかり頬の腫れは引き、私は再びウェディングドレスと向きあっていた。

「私らしさ……」

目をつぶって零士さんとで会ってからのことを考える。
零士さんは騙され、酷い目に遭わされても事情があったんだからと許してしまう甘い私が、好きだと言ってくれた。
家を笠に着ず気取らない私が、好きだと言ってくれた。
夢に向かって突き進み続ける私が、好きだと言ってくれた。
……きっとそれが、私らしさ。

「よし」

目を開け、ペンを取って紙に走らせる。
――自由に。
前を見て真っ直ぐに。
いまだに続く、あんな封建的な世界なんてぶっ壊してやる。
でも、思いやりと優しさは忘れずに。

「できた」

できあがったデザイン画に満足し、頷く。
一見、クラシカルなドレスだが、これは……パンツスーツなのだ。
フリルたっぷりのスカート前面が開いていて、中のパンツが見える。
そのスカートも取り外しができるようにしたい。

――古きを取り入れこれから先を切り開く、女性のための服。

私のブランドは、そんなふうに育てていきたい。

帰ってきた零士さんにデザイン画を見せた。

「とても清華らしいと思う」

零士さんの唇が重なる。