傾国の姫君
第2話 剣術を教える条件
その男は町を出ると、山の中に入って行った。

途中から、道は石階段に変わり、そこを昇っていく。

女の私では、男の速さについていける訳もなく、はぁはぁと息を切らしながら登って行った。


「どこまで昇るんだよ。」

すると途中で、男がこっちを向いていた。

「うわっ!」

驚いた私は、慌てて木の陰に隠れた。

「女、どこまで着いてくる。」

バレてしまっていては、仕方がない。

木の陰から、私は姿を現した。

「あんたの居場所まで。」

そう言って男を睨みつけた。


男は、肩までの長髪に、髭も生やしていた。

世間を離れているような気がした。

「秦王に恨みがある女を探しているんだろ。」

「ああ、そうだ。」

「私がそうだよ。」

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