傾国の姫君
第3話 妃になれ
山を降りた私は、久しぶりに町にやってきた。

町では、3年に一度のお妃候補を探していた。

「おじさん、私を連れて行って。」

私は、候補を探している人に手を挙げた。

「おまえ?」

おじさんは、私を頭から下まで舐めるように見た。

「少し、歳がいっているようだが。」

「失礼だね。まだ20半ばだよ。」

「それでもいってる方だね。見てみ。」

私は、馬車の中を見せられた。

中には、何人か候補の人がいたけれど……

皆、若い!

若いというより、あどけない!

まだ、男を知らない子供なんじゃないか!


「な。悪い事は言わない。辞めた方がいいぞ。」

「いいえ。私はこの日を待っていたんです。」

そして強引に、馬車の中に入った。

「おばさんも、妃候補なの?」

「おば、おばさん⁉」
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