気づけば君が近くにいてくれた
7*



香純ちゃんと藤波くんに私の過去を打ち明けてから、私の生活が特に何か変わったわけではない。


でも、見える未来はちょっとだけ明るくなった気がする。


朝も憂鬱な気持ちで起きていたけれど、今日も香純ちゃんと藤波くんは来てくれるかななんて楽しみに起きられるようになった。


本当に2人は私の中でとても大きな存在だ。


毎日というわけにはいかないけれど、2人はかなりの頻度で私の家に来てくれている。


学校で出された宿題は必ず持ってきてくれていて、最近では私が解いた宿題を学校に持って行って先生に見せてくれている。


まともに授業を受けていないから、返されたプリントの正答率はボロボロだけれど、その度に藤波くんが丁寧に教えてくれて、今は何とかついていけている状態。


そんなこともあって、ここ数日は香純ちゃんと藤波くんがいない昼間も机に向かって勉強するようになった。


今までは、学校に行きたい気持ちはあってもどうせ行ける日なんて来ないだろうし……と投げやりになって机に向かう時間なんて全くなかったのに。


2人に頑張ろうねと勇気づけられてから、気持ちが前向きになって、行けるかどうかなんてわからないけれど、やれることはやっておきたいと思えるようになった。


これは私なりの前に進むための努力。


ちゃんと勉強するようになったことを香純ちゃんと藤波くんに伝えたら、えらいと褒めてもらえて嬉しくなった。




< 130 / 195 >

この作品をシェア

pagetop