気づけば君が近くにいてくれた
4*



だらだらと学校へ行く勇気が出ずに過ごして、気づけばもう4月が終わる。


もうすぐ今年度最初の大型連休、ゴールデンウィークが始まる。


壁にかけられたカレンダーをふと見上げて時間の流れの速さを感じていた。


そろそろクラスメイトは、私が不登校だと確信したどころか、存在さえも忘れているかもしれない。


今までならずっと部屋にひとりぼっちで会話をするといえば昭子おばあちゃんかSNSでのアオイさんの2人しかいなかった。


でもこの1ヶ月、香純ちゃんと藤波くんに出会って、よく勉強会を開いてくれて、私の生活環境が変わっていった。


相変わらず、人と関わるのは怖い。


学校だって行けない。


それでも、少しだけ未来が明るくなった気がした。



「……どうしよう」



今日もスマホと睨めっこ。


相手はアオイさんではない。


ひとつの当選メールとだ。


数ヶ月前、ホームページでC&Hのライブのお知らせがあった。





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